痛みとは関連性が解りやすい外傷によるものから、神経痛と呼ばれる神経が傷付くことで起こる痛み、ストレスや体内環境の異常によって脳で感覚的に感じる痛みなど複数存在します。原因が解らない痛みの多くは脳でのみ感じる「心因性の痛み」です。五葉館薬局では原因が解り難い痛みでお悩みのお客様を漢方/食養生/カウンセリングを用いて改善に導きます。
1.痛み(疼痛)とは
痛いと感じる痛みは医療用語で疼痛(とうつう)と呼ばれています。
痛みには侵害受容性疼痛/神経障害性疼痛/心因性疼痛の3パターンが存在しますが、痛みを感じるメカニズムはどれも同じです。
痛みの種類
・侵害受容性疼痛
切り傷や擦り傷、打撲などの怪我をすると痛みを感じます。
また、関節の消耗や骨折などの物理的な外傷によって発生する痛みを侵害受容性疼痛と言います。
この種類の痛みが非常に多く一般的で皆様が感じやすい痛みと言えます。
・神経障害性疼痛
身体には副交感神経/交感神経のような自律神経をはじめ皮膚や歯など身体の至る所に「神経」が張り巡らされています。
神経障害性疼痛とは神経そのものが傷付くことや神経付近の組織または細胞が傷つく/炎症を起こす事で感じる痛みです。
俗に言う「神経痛」がこれにあたり、根本的な改善が難しいとされる神経のケガによる痛みです。
・心因性疼痛
身体の情報を感知し高度な指示を行うことでコントロールを行う器官が脳です。
外傷や神経の痛みが無くとも痛みを感じる場合が心因性疼痛と呼ばれる脳だけで感知する痛みです。
ストレス社会の現代では心因性疼痛に悩まされ、改善の糸口が見つからず苦しんでおられる患者様が増えています。
痛みが発生するメカニズム
侵害受容性疼痛/神経障害性疼痛/心因性疼痛と様々な痛みが存在しますが、基本的に痛みは脳が感知して体感を得られる現象です。
つまり、痛みは痛みの原因となる患部から神経伝達を行い、脊椎を通じ脳に伝達されることで私たちは感じています。
これが痛みを感じる一連のメカニズムとなります。
2.痛みが起こる理由
痛みは身体が必要に応じて発生させるシグナルです。
痛みは辛く不愉快な感覚ですが、身体に異常がありますよと知らせる為に出現するSOS信号なのです。
痛みが意味する事
痛みを感じる事はとても辛いことです。
痛くて心拍数や呼吸が高まり、ほとんどの場合身体を動かしたくない/動かせない状態に陥ることが多いと思います。
つまり、外傷を例にすると皮膚や筋肉、骨といった組織に傷が付く、折れるということは基本的には動かしていけない状態となります。
つまり、痛みとは身体を強制的に安静状態にするためのシステムであり、必要だから発生する生理現象なのです。
身体の何処かに異常がある
痛みとは身体を安静に保つために発生するSOSのシグナルです。
外傷など体感的にも視覚的にも分かりやすい痛みであれば理解しやすいです。
しかし、偏頭痛や筋肉、皮膚などに発生する謎の痛みも多々あります。
こういった痛みを感じても病院では身体に異常が無いと診断されることが多くあります。
しかし、痛みは身体が発する救難信号に変わりはありませんので、何処かに異常があるということを覚えておきましょう。
3.原因不明の痛みの原因
外傷や神経痛を除く、心因性の痛みはしばしば原因不明の痛みとされますが、多くは生活習慣や生活環境の影響によって発生しています。
生活習慣/環境の悪化
・食生活
食事は日々の身体を営み、発育させる為に必要不可欠な身体の原料です。
しかし、食事は人にとっては嗜好性をもたらし楽しみの一環ともなりえる存在です。
特に近代では、欧米食などの様々な外国の食事が気軽に楽しめる環境となっています。
この食の欧米化が栄養の偏りを生み、身体の運営に対し大きな損害を与えています。
身体の運営に必要な栄養素が正確に摂取できない状態が続くと身体の運営が行き届かなくなり、結果として原因不明の痛みの原因になる場合があります。
・ストレスの蓄積
日本はストレス大国と呼ばれ、老若男女問わずそれぞれの環境において社会/学業/家庭にまつわるストレスが発生しています。
ストレスは発生しても解消できれば問題はありませんが、ストレスを発散できずに蓄積させてしまうと良くありません。
具体的にはストレスの影響を受ける事で代謝コントロールする自律神経がアンコントロールの状態に陥り痛みの発生に繋がることがあります。
新陳代謝の異常による痛み
上記の食事やストレスの影響によって身体を作り続ける現象である新陳代謝が滞りを見せます。
新陳代謝の滞りは臓器や細胞といった各組織の維持に打撃を与えてしまいます。
原因が解らない痛みの多くは、新陳代謝の低下による身体のバランスが崩れた状態で発生することが多々あります。
血液循環の悪化
代謝の基本は血液が正しく循環されることがとても重要です。
しかし、実際には血液循環が低下し冷えなどの症状をお持ちの方がとても多いです。
血液は代謝に必要な酸素や成分を届ける役割を持ちますので血流の悪化はダイレクトに代謝の低下を意味します。
自律神経の失調
ストレスの蓄積は交感神経/副交感神経からなる自律神経を失調させてしまいます。
ストレスが多いと交感神経が優位な状態が続き、自律神経の働きに偏りが出てしまいます。
働きの偏りは代謝の指示伝達の偏りを意味し正常な代謝反応を阻害します。
内分泌系の失調
内分泌とはホルモン生産/分泌の総合的な呼び方です。
代謝にはホルモンを必要です。
しかし、ホルモンの原料となる食事がバランスが悪い、栄養素を運ぶ血流が悪い、ホルモン生産/分泌の指示伝達を行う自律神経の働きが悪いという条件が揃うとホルモンをコントロールする内分泌が正しく働きません。
4.痛みを改善する「漢方/食養生」
痛みの原因となる食事やストレスをきっかけとした新陳代謝の乱れを改善する事で痛みの解消を目指します。
その為に食生活や必要に応じて身体を立て直す漢方を用いる事で問題の解決を目指します。
身体の異常(代謝)を正す
心因性の痛みを和らげ改善する為に必要な事は、異常をきたしている新陳代謝を正常にするということです。
新陳代謝が崩れる原因は「ストレス・食生活・血液循環・自律神経・内分泌」という代謝を構築する/代謝に影響を与える項目に問題があるからです。
つまり、痛みの奥底にある原因である代謝に影響を与えている要因を改善し崩れたバランスを正すことで痛みを根本的に解決する必要があります。
ストレスによる問題は簡単ではありませんが、環境を変える/周りの人に理解してもらうことでストレス因子を減らす事が大切です。
漢方による身体のケア
・血液循環改善
代謝を行う際に代謝が頻繁に起こる臓器や筋肉などの器官/組織に代謝の原料となる栄養素や酸素を運ぶものが血液です。
血液は漢方や自然適材適材適所で用いることで新たに流れやすい血液を、生産(造血作用)を促すことができます。
・自律神経の養生
自律神経は交感神経と副交感神経の2つがバランスを取ることで脳からの代謝の指示を正確に伝達する神経です。
自律神経に不具合が出ると正確な指示伝達ができない→正確な代謝反応が滞るということになります。
漢方を用いることで自律神経の寛容性をサポートすることで正常な働きへと導いていきます。
・内分泌の改善
内分泌系は自律神経系と密接な関係にあります。
自律神経に支障をきたしていると内分泌系にまで支障をきたします。
自律神経をしっかりとサポートすることで内分泌系を改善に導くことが可能です。
さらに、必要に応じて内分泌をサポートする生薬を用いることで回復を目指します。
食養生による基礎の改善
人の身体を作っている原料は日々の食事です。
つまり、食事は最も重要であり、身体の基盤となる部分です。
漢方の五葉館薬局では、お客様としっかりとカウンセリングを行い、食生活のお話も伺います。
その上で改善すべきポイントがあれば、お食事に関するアドバイスをさせて頂きます。
これらの複合的な問題を見直し、身体の状態を整えることで痛みを改善するお手伝いをさせて頂きます。
冷えを改善し少しでも体温を高めることが出来ればウイルス感染予防にとって大きなアドバンテージとなりますよ。