2020/01/21

ひどい生理(月経)痛は漢方で原因を治療し症状を緩和する

生理痛の症状は千差万別であり人によって異なりますが、生理に関する不快な症状は生理(月経)の期間に女性の身体で起こるホルモンバランスの変化や血行不良によって発生します。主な生理痛の改善方法には「痛みだけを取る対処療法」と「痛みの原因を改善し症状の発生を抑える根本治療」があります。漢方薬による治療は生理痛の原因を改善し、痛みの緩和と症状そのものを根本的に解決する治療方法です。

 

 

1.生理(月経)痛とは

 

月経開始直前から月経終了までの間に女性の身体が目まぐるしく変化します。

この変化に伴い表れる痛みなどの不快な症状を生理痛と称します。

生理痛は痛みの強さ、痛む箇所、不快な他の症状など、同じ女性であっても一人一人が違った症状が現れます。

 

 

生理痛の主な症状

 

生理痛は「生理前・生理前半・生理後半」と3つの段階で様々な症状が表れます。

段階的に症状が変化する理由は分泌ホルモンの変化などによって、女性の体内環境が目まぐるしく変わっていくからです。

その変化に伴って、下腹部に痛みが発生したり、気分が落ち込んだりイライラするなどの症状が表れます。

 

生理前の不快な症状(PMS)

 

排卵が起こると、女性ホルモンの一つである黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加します。

黄体ホルモンは、女性の身体から母親の身体への変化を促し「乳腺の発達・体温の上昇・水分代謝の悪化」などの作用を起こします。

その結果、「乳房の痛み・だるさ・下半身のむくみ」などが表れやすくなります。

排卵した卵子に命が宿らなければ生理が開始され、黄体ホルモンは減少します。

この一連の大きな変化を伴うサイクルによって、身体の状態をコントロールする自律神経がバランスをくずし「イライラ・倦怠感・頭痛・胃痛」などの不調が表れます。

生理の1~2週間前から生理が始まるまでの期間に表れる様々な不快症状は「月経前症候群=PMS」と呼ばれています。

生理前に起こる症状でお悩みの場合は「PMS」が原因かもしれません。

生理前の不快な症状でお悩みの場合は下の記事をご参照ください。

 

生理前半の不快症状

 

生理の直前から前半にかけて、プロスタグランジンという物質が増加します。

この物質の主な作用は、子宮の収縮を促すことで経血を身体の外に出すことです。

この子宮収縮が過剰に起こると「キリキリとした痛み=生理痛」が発生し、血管を収縮させる作用によって「腰痛・だるさ・冷え・めまい」などの症状も起こります。

そして胃腸の動きにも影響を与える場合があり「吐き気・下痢」の症状が表れることもあります。

 

生理後半の不快症状

 

経血の排出の必要が無くなると、プロスタグランジンの分泌量は低下するので子宮収縮は落ち着き、痛みは和らぎます。

その一方で、経血の損失により多くの血液が失われているので、骨盤付近の血液循環が滞ります。

その結果、「下腹部の鈍痛・腰付近のだるさ・冷え・むくみ」などの症状が表れやすくなります。

 

 

日常生活に大きな影響を与える月経困難症

 

生理痛によって日常生活に支障が出る場合や、鎮痛薬を服用しても改善しない場合には、器質性月経困難症の可能性があります。

月経困難症の種類には、機能性月経困難症と器質性月経困難症の2つがあります。

機能性月経困難症はプロスタグランジンの過剰分泌や、冷え、ストレスなどを原因とする一般的で軽度な生理痛です。

しかし、器質性月経困難症は「子宮内膜症」や「子宮筋腫」「子宮腺筋症」などの子宮に関する疾患が原因で起きやすい生理痛です。

器質性月経困難症の疑いがある場合は、必ず婦人科を受診し、ドクターに適切な診断を受けましょう。

 

 

2.生理痛の原因

 

生理痛=過剰なプロスタグランジンの原因は「血行不良・ストレス・代謝異常」など様々です。

痛みの原因はプロスタグランジンで、これに対して複数の要因が重なることで様々な不快な症状=不定愁訴が発生します。

 

 

痛み原因

 

生理中は、プロスタグランジンによって子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を血液とともに「経血」として体の外に押し出す働きが起こります。

つまり、プロスタグランジンの「生産と排出」のバランスが悪いと、子宮の収縮が過剰に起こり、陣痛のような下腹部の痛みが高い頻度で表れます。

さらに、プロスタグランジンの一種には、「痛み」そのものを作り出す働きがあるので、頭痛や腰痛の原因にも成り得ます。

 

根本原因となる血行不良

 

血行不良は、生理痛の直接原因となるプロスタグランジンの排出を妨げてしまい、骨盤内での滞留を生み出し、痛みが強くなります。

そして、プロスタグランジンの働きには血管収縮作用があるので、血液の流れが更に悪くなります。

つまり、血行不良を持つ場合、プロスタグランジンの滞留が痛みを増し、更なる血行不良を招くという悪循環を作り出し、強い生理痛を生み出してしまいます。

「冷えは万病の元」と言われるように、血行不良は様々な身体の不調を招きます。

生理痛を含む多くの不定愁訴は、血液循環の悪化が根本的な原因になると考えられています。

 

好ましくない生活習慣

 

日々の生活を司る生活習慣にも、血行不良を起こす要因はたくさん潜んでいます。

例えば「冬場の薄着・冷たい飲み物/食べ物・運動不足・冷房・シャワー」などの直接身体を冷やす行為は、交感神経が優勢な状態を作り出します。

交感神経が働くと、血管が収縮してしまい、血液の流れが悪化するので身体が冷えてしまうのです。

 

ストレス環境

 

ストレスの蓄積は、交感神経と副交感神経から成る「自律神経のバランスを崩し」自律神経の不調=失調を招きます。

自律神経の失調では交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることで、身体の制御に支障をきたし、血液の流れにも悪影響を与えてしまいます。

また体温調節の機能なども低下させるので、直接的な冷え症の原因にも成り得ます。

 

 

3.病院で行われる生理痛の治療

 

病院や婦人科では、生理痛の治療に対して症状のみを改善する「対処療法」が行われます。

基本的には薬物療法で痛みの成分の生産を低下させる「鎮痛剤療法」と「低エストロゲン・プロゲスチン配合薬」を使います。

 

 

 

生理痛に対する薬物療法

 

西洋医学の治療では、痛みを発生させる成分やホルモンを抑制する薬物療法が中心です。

お薬で痛みを発生させる物質を抑えることで、一時的に痛みを取り去る「対処療法」がメインとなります。

 

鎮痛剤療法「NSAIDs」

 

この鎮痛薬には、生理痛の元となるプロスタグランジンの産生を抑制する働きがあります。

痛みの対処には大きな効果がありますが、不快な他の症状の改善には効果が薄いです。

また、人によっては副作用として胃腸障害「炎症・潰瘍」を起こすこともあるので、注意しながら経過観測が必要です。

 

低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬

 

このお薬には卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)の2つの女性ホルモンが含まれています。

服用することで排卵を一時的に休止させ、生理に伴う痛みやその他の症状を改善します。

ただ「軽い頭痛・軽い嘔気・少量の不正出血」などの副作用が起こることがあり、さらに大きな副作用として、血栓症(静脈血栓症・動脈血栓症)があります。

頻度は低いですが、血栓は重篤な状況を招く恐れがあるので、使用には厳重な注意が必要です。

 

 

 

4.漢方で生理痛を根本的に改善する

 

長きに渡る漢方治験の歴史の中で、生理痛の主な原因は血行不良と診断されています。

漢方を用いた生理痛治療では根本的な原因である血液の「流れ・状態」を見直すことで不必要に生理痛が起こらない身体の状態を目指します。

 

 

漢方「東洋医学」による生理痛治療

 

西洋医学/東洋医学共に生理痛の大きな原因は「血行不良」にあると考えています。

病院などの西洋医学では、症状を抑える対処療法が主流ですが、漢方では生理痛の根源である「血行不良」を改善し根本的な改善を目指します。

東洋医学では、血液循環悪化の原因を「血液が滞る:お血」と「血液の量が少ない:血虚」という2つの状態で考えています。

血液の流れが滞る「お血」の原因は、自律神経と血液の質が大きく関わっています。

自律神経に問題がある場合は、自律神経のバランスを整える漢方薬を処方します。

そして血液の質=ヘモグロビンの状態が悪い場合は、ヘモグロビンの新陳代謝を高める処方で改善します。

また、血液の量が少ない場合には造血作用を促す生薬や、血液の原料となる食事のアドバイスを行うことで改善を促します。

 

生理痛に使われる漢方薬

 

生理痛に使われる漢方薬の一例をご紹介致します。

下記の漢方処方は、あくまでも一例であり、全ての人に当てはまるものではりません。

漢方の重要なポイントは、その方の病状と身体の状態に合わせて処方を選ぶ事です。

 

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちな方の月経困難症、月経痛など

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力があり、のぼせて足冷えなどのある方の月経不順、月経異常など

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向がある方の月経異常、月経痛など

・温経湯(うんけいとう):体力中等度以下で、手足がほてり、唇がかわく方の月経不順、月経困難など

・加味逍遥散(かみしょうようさん):体力中等度以下で、のぼせ感があり、精神不安やいらだちのある方の月経不順、月経困難など

 

 

漢方では不快な他の症状も改善される

 

漢方での生理痛治療は、生理痛の根源となる「血液」の問題を解決することになります。

「冷えは万病の元」という言葉の通り、血行不良は様々な不調をもたらし、全ての不定愁訴に繋がっています。

数千年にもおよぶ漢方治験によって導き出された結論は「血液の問題は全ての病に通ずる」ということなので、東洋医学では血液の状態の改善に心血を注ぎます。

漢方治療によって血液の流れや血液の質が改善されると、生理痛の改善と同時に、今まで抱えていた様々な不調が改善されたと喜ばれるお客様が非常に多いです。

もし、つらい生理痛でお悩みの場合には、一人で問題を抱えこまずにお気軽にご相談くださいね。

 

 

 

 

 

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