2021/07/14

EDにおける漢方アプローチについて

EDは精神的な問題(ストレス)と器質的な問題(動脈硬化など)の複合的な問題によって起こる勃起障害です。若い方はストレスが主な原因で、高齢になるほどストレスと動脈硬化が合わさります。

1.EDとは

ED(勃起不全)とは「勃起機能の低下」を意味する英語 Erectile Dysfunction の略です。

専門的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」とされています。

EDの症状について

満足な性行為を妨げる男性機能の低下の種類は様々です。

勃起が起こらないケースはもちろんのこと、硬さが不十分、勃起状態が維持できないなど、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない状態は、いずれもED(勃起不全)となります。

日本人男性の4人に1人がED

調査によると、中等度ED「たまに勃起、性交中勃起は維持できる」と、重度ED「勃起せずに性交不可能」の日本人男性(成人)は、約1,130万人でした。

年代別に見ると、なんと日本人男性の40歳代の5人に1人、50歳代の2.5人に1人、60歳代の1.7人に1人が中等症以上のED(勃起不全)ということになります。

2.EDの原因と種類

EDには「身体の構造に問題がある:器質性ED」「精神的なストレスがある:心因性ED」「身体の問題と精神の問題がある:混合型ED」「お薬の服用による副作用がある:薬剤性ED」の4つに分類されます。

器質性EDの原因

加齢に伴うものであれば、特に動脈硬化(血管が硬くなる症状)が原因と考えられます。

動脈硬化になると血管が十分に拡がらないばかりか、血液の循環が悪くなります。

そのため、陰茎海綿体にも十分な血液が流れ込まず、EDが起こりやすくなります。

糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病の人では、血管に大きな負担がかかるために、しばしば動脈硬化が進行していることがあります。

そのため、結果としてEDが起こりやすくなります。

また、喫煙や過度の飲酒も同様の理由から、EDを引き起こす原因と考えられています。

その他、神経が傷害される病気(脳出血、脳腫瘍、脳外傷、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマー病など)、陰茎海面体の血管や神経を損傷するような手術・外傷、一部の泌尿器系の病気でもEDが起こりやすくなります。

心因性EDの原因と特徴

精神的なストレスがあると、神経の性的な興奮がうまく伝わらないために、EDが起こりやすくなります。

このEDを心因性EDといい、その原因は実にさまざまです。

仕事や夫婦関係など日常生活におけるストレスが原因となることもあれば、性交がたまたまうまくいかなかったことによるトラウマが原因となることもあります。

このタイプのEDでは、「また失敗するのではないか」という不安が大きなストレスとなり、EDを悪化させることもしばしばです。

混合型EDの原因と特徴

EDの現状をみると、ストレスだけが原因、あるいは動脈硬化の進行や神経に障害があるだけが原因ということは少なく、どちらの要素も合わさった混合型EDが多いと考えられています。

特に、糖尿病や高血圧、外傷などに精神的な要素が加わってEDになっていることが多いといわれています。

薬剤性EDの原因と特徴

一部の種類の薬剤には、EDの原因となるものがあります。

・中枢神経に作用する薬剤

解熱、消炎鎮痛剤、抗不安薬、抗うつ薬、抗けいれん薬、抗精神病薬、睡眠薬を含む向精神薬

・末梢神経に作用する薬剤

筋弛緩薬、鎮痙薬、麻酔薬、抗コリン薬

・循環器系に作用する薬剤

不整脈治療薬、利尿剤、降圧剤、血管拡張剤、高脂血症用剤

・消化管に作用する薬剤

消化性潰瘍治療薬、麻酔薬、抗コリン薬、鎮痙薬

3.ED治療は早期に行うべき

EDは若い人には無関係とお考えの方が多いですが、現状は30代にも中程度のED患者が多いです。

その多くの原因は仕事環境や家庭環境によるプレッシャーやストレスなどです。

完全なEDでは無いために治療を悩む場合

30代~40代の方では完全なEDの方は少ないので、EDと真剣に向き合おうとする姿勢の方は少ない現状です。

多くの場合、器質的な問題は少なくストレス性のEDが多いですが、放置することはお勧めできません。

ストレスによるEDは自律神経が失調傾向になるため、性的興奮の神経伝達が正常に行われないために起こります。

放置すると自律神経の失調が進み、自然な勃起への復帰が難しくなってしまいます。

病院で行われるED治療(対処療法)

病院ではお薬によるED症状の改善を行います。

主にシリアス錠やバイアグラなどの陰部への血流増加を促す作用を持つお薬を飲むことで一時的に勃起させる方法です。

しかしながらEDの根本的な原因である神経の伝達や血管の状態に対するアプローチは存在しません。

4.EDに対する漢方アプローチ

漢方薬を用い数千年にも及ぶ治験を行ってきた東洋医学ではEDは珍しい症状ではありません。

つまりED治療に対する漢方アプローチは体系化されており、高い効果が期待できます。

自律神経失調を立て直す

若い年齢の方に多く、EDの入り口とも言える原因がストレスです。

一番大切な事はストレスが多い環境を変えることですが、そう簡単に変えられるものでもありません。

五葉館薬局ではストレスを発散させる漢方を用いながら、自律神経をサポートすることでストレス性のEDを改善に導きます。

血液循環を改善する

EDの根底にある血行不良を見直すことは漢方が最も得意とする分野です。

血行不良、すなわち身体の血液の循環が悪い状態ですので抗ED薬を飲んでもこの状態だと理想的な効果は得られない可能性があります。

血液の赤血球と血漿の状態を漢方や自然薬で見直し、脈々と流れる血液を生み出すことで血行不良を改善します。

血管の修復をサポートする

血管のダメージは主に糖質による糖化反応と脂質過多による食生活が原因なので、生活習慣の見直しが必要です。

生活習慣の見直しと共に、血管を修復する作用を持つオメガ3系脂肪酸などを上手に取り入れて傷ついた血管をケアします。

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