不妊原因まとめ

では、不妊の原因を考えていきましょう。

大切なポイントは、排卵・受精・着床・精子です。

 

排卵に関わるもの

生理がきたら排卵していて当たり前!と思いたいところですが、経血があっても排卵が起きていない生理のときもあるのです。

1.AMH(抗ミュラー管ホルモン)値が低い

AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査は卵子の数を知る指標になり、卵巣の働きを予測する目安になりますが、この検査で予測できるのは、卵巣に残っている卵子の数です。卵子の数が少なくなってくると、排卵しにくくなったり、排卵誘発剤の効き目が悪くなったりしますが、卵巣の働きが低下しているときにもこのような状態になります。漢方の服用で卵子の数を増やすことはできませんが、卵巣の働きを高めて卵子の質が改善されていくことは十分に可能性があります。

2.多囊胞性卵巣症候群(PCOS)

囊胞状の小さな卵胞が両側の卵巣に(12個以上)でき、そのために主席卵胞が育たず排卵が妨げられ、卵巣内に不調和が起こっている状態です。経腟超音波像では「ネックレスサイン」が認められます。無月経、希発月経、不妊、肥満、インスリン抵抗性の上昇などの症状を伴う場合があります。原因は、視床下部下垂体からのホルモン分泌の乱れが絡んでいると考えられています。PCOSは、排卵障害の1割以上と言われています。不妊治療では、クロミフェン療法やゴナドトロピン療法が行われますが、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)となる注意が必要です。子宝漢方による体質改善では「腎」の働きを高めて適切なホルモン分泌の調整ができる身体になるよう後押しし、良い血液を卵巣に巡らせ卵巣内の不調和の改善をめざします。

3.高プロラクチン血症

プロラクチンホルモンは、妊娠中や産後の授乳期に多く分泌されるホルモンで、乳汁分泌や排卵を抑制する働きがあります。高プロラクチン血症による不妊とは、妊娠中や産後の授乳期以外に大量にプロラクチンホルモンが分泌され排卵が妨げられている状態です。原因としては、プロラクチン産生下垂体腺腫により過剰分泌が起こる場合や、視床下部下垂体の経路の障害により起こる場合や、薬剤性によるもの、甲状腺ホルモン機能低下症によるものとが考えられていますが、原因不明のことも多くあります。不妊治療では、ホルモン療法による治療が行われますが副作用が強いといわれています。子宝漢方による体質改善では「腎」の働きを高めて適切なホルモン分泌の調整ができる身体になるよう後押しし、ホルモン分泌の調和をめざします。

4.卵巣チョコレート囊胞

卵巣チョコレート囊胞は、子宮内膜症の一つです。卵巣に発生した子宮内膜様組織から、月経時の出血が卵巣に溜まり、卵巣が腫大し周囲との癒着を起こし卵胞の発育や排卵を妨げます。強い月経痛、骨盤痛などの症状があります。不妊治療では、卵巣保存手術やホルモン療法が行われます。子宝漢方による体質改善では、痛みの原因となているお血の改善を後押しして血液の質と巡りを整え、冷えや痛みの軽減をめざします。

5.早発卵巣不全(POF)

早期卵巣不全や早発閉経とも言われ、40才未満で卵巣の機能が低下し排卵が止まってしまう状態です。30才未満の0.1%、40才未満の1%に起こり、無月経の5~10%を占めると言われています。原因としては、染色体異常や自己免疫疾患などが考えられていますが、多くの場合が原因不明となっています。卵巣内に卵胞が残っている状態と残っていない状態があり、卵胞が残っている場合不妊治療では、ホルモン療法が行われます。子宝漢方による体質改善では「腎」の働きを高めて適切なホルモン分泌の調整ができる身体になるよう後押しし、良い血液を卵巣に巡らせ卵巣内の不調和の改善をめざします。

6.黄体化未破裂卵胞(LUF)

毎月の月経が正常にあり、基礎体温における高温期の上昇があっても、卵胞の破裂が起こらず排卵されていない状態です。全月経周期の7%ほどはLUFが起こっていると言われています。不妊治療では、ホルモン療法が行われます。子宝漢方による体質改善では「腎」の働きを高めて適切なホルモン分泌の調整ができる身体になるよう後押しし、良い血液を卵巣に巡らせ卵巣内の不調和の改善をめざします。

受精に関わるもの

卵巣から排卵された卵子は、卵管の先にある卵管采によって卵管に取り込まれます。卵管でお悩みの方も少なくありません。

1.卵管周囲の癒着

卵管では、卵巣から排卵された卵子の取り込み、受精、胚の形成と子宮腔への移送が行われる場所ですが、炎症や子宮内膜症、過去の手術により癒着が起こる可能性が高い部位です。癒着があると、卵管のしなやかさが失われ移送機能が低下し、精子が卵子にたどり着けなくなるため自然妊娠が難しくなってきます。不妊治療では、手術で卵管の通過性が確認できない場合は体外受精となります。子宝漢方による体質改善では、気血水の調和を計り卵管周囲の癒着が起こった根本原因に働きかけ、卵管が持つ本来の働きを果たせるように後押しします。

2.卵管閉塞

卵管閉塞には、片側、または両側が詰まっている場合と、卵管の通りが悪い場合があります。詰まる原因としては、クラミジアなどの性感染症や子宮内膜症が考えられます。子宮卵管造影(HSG)という検査があり卵管の癒着や閉塞の度合いがわかります。閉塞部を押し広げながら造影剤が通過するため、卵管の通過性が回復するという治療効果もあります。不妊治療では、卵管鏡下卵管形成術(FT)があります。通過性が確認できない場合は体外受精となります。子宝漢方による体質改善では、気血水の調和を計り卵管閉塞が起こった根本原因に働きかけ、卵管が持つ本来の働きを果たせるように後押しします。

3.ピックアップ障害

卵胞から飛び出した卵子を取り込む卵管采が正常に機能しない状態です。原因としては、クラミジア感染症や子宮内膜症による癒着、子宮筋腫による卵巣と卵管采の位置異常が考えられます。精神的なストレスによっても発症すると言われていますが、多くは原因不明です。不妊治療では、排卵誘発剤を使って卵子の数を増やし取り込む確立を上げる方法か、体外受精に進む場合があります。子宝漢方による体質改善では、気血水の調和を計り炎症や閉塞が起こった根本原因に働きかけます。

着床に関わる要因

自然妊娠を望む方も、人工授精や体外受精を検討している方も、受精卵が育っていくための内膜の良い状態維持は必須です。

1.子宮内膜症

子宮内膜は子宮の内膜を覆っている粘膜で、受精卵を受けとめ育みます。女性ホルモンの作用で増殖し、妊娠しないときは月経として体外に出ます。子宮内膜症とは、子宮内膜様組織が子宮内膜以外の場所にできることで、骨盤内に臓器癒着を起こします。症状の大きな特徴は、月経を重ねるごとに強くなる月経痛です。子宮内膜様組織のできる場所によって、性交痛、排便痛、慢性骨盤痛が起こります。卵巣内にできるものが卵巣チョコレート嚢胞といわれ、卵巣周辺の癒着につながります。エストロゲン分泌が関わっているため、エストロゲン分泌量が多い20~30才代に多く発症します。原因は、ホルモンバランスや免疫システムの乱れ、ストレス、喫煙などが考えられていが多くは不明です。不妊治療では、症状の強さや状況に応じて薬物療法、手術などの治療法を決定します。再発を繰り返すことが多いため、繰り返し治療を行うことが必要になります。子宝漢方による体質改善では、気血水の調和を計り内膜症が起こる根本原因に働きかけ子宮や卵巣の働きを整えていきます。

2.子宮腺筋症

子宮腺筋症とは、子宮内膜症の一つで子宮内膜様組織が子宮筋層内にできる疾患です。月経を重ねるごとに月経痛が激しくなる、経血量が多い、月経期間が長くなるなどの症状があります。子宮自体が大きく腫れるので対処が難しいといわれています。不妊治療では、ホルモン療法や対症療法としての鎮痛剤を使います。妊孕性を残す手術として子宮腺筋症切除術があります。子宝漢方による体質改善では、気血水の調和を計り子宮腺筋症が起こる根本原因に働きかけ、子宮や卵巣の働きを整えていきます。

3.子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉層の中にできる良性の腫瘍で30~40才代に多く3人に1人は筋腫を持っていると言われています。子宮筋層内にできる筋腫と子宮内膜にできる粘膜下筋腫、子宮の外側にできる漿膜下筋腫に分類されます。子宮筋腫がある場所によっては、子宮は大きくデコボコになり着床しにくく、着床しても子宮が硬く収縮しやすいために流産の可能性が大きくなります。不妊治療では、状況により経過観察で良い場合や、ホルモン療法を行います。子宝漢方による体質改善では、気血水の調和を計り子宮筋腫が起こる根本原因に働きかけ、子宮や卵巣の働きを整えていきます。

不妊の原因とは? ~ 精子、精巣

ストレス 腎虚 疲労
この3点に的確にアプローチして男性不妊の改善をサポートします。
男性不妊の90%近くが造精機能障害といわれており、そのうちの10~20%が精索静脈瘤と診断されています精索静脈瘤では、血行不良が原因となって静脈瘤が形成されますが、そのために起こる精巣温度上昇、低酸素状態、代謝物の逆流により、精子をつくりだす機能に影響すると考えられています。精索静脈瘤の場合、西洋医学的な治療(手術)により造精機能が改善するのは30~50%といわれています。
精子がつくられることを造精といいます。精子は、精巣の精細管の中でつくられています。精細管には生殖細胞、セルトリ細胞等の細胞がありこれらの働きが一体となって造精機能をつくりだしています。
精子が生成され卵子に出会うためには、精細管における造精機能等数々の段階を経てなされることですが、そのしくみが良い状態で働くためには、しくみを動かすための活力が必要であり、その活力は日々の生活習慣に大きく影響されるものです。漢方で五臓六腑を整え、気血水のバランスを計ることは、造精機能の活力増進に大いに期待できます。