肥満の大きな原因は加齢による代謝の低下

常日頃口にする代謝とは大きく分けて基礎代謝と生活活動代謝の２つで、ダイエットでよく耳にする基礎代謝とは人が身体を維持する為のエネルギー消費のことです。
生活活動代謝は身体を動かす時にエネルギー消費のことで、年齢を重ねると代謝が低下すると言われるのは基礎代謝の方です。ダイエットで重要な事は如何に基礎代謝をサポートしエネルギー消費量を増やすことに尽きるわけです。

この記事では「代謝」に関するダイエットの解説を福井の五葉館薬局から皆様にシェアさせて頂きます。

１．代謝とは

ひと言で表すと体内で起こる化学反応のことで、分かりやすく言うと呼吸や消化などの生命活動も代謝に分類されます。
代謝を科学的に説明するとエネルギーの生産・消費を行うこ言い痩せる事も太る事も全て代謝の上に成り立っています。

具体的な代謝

日々の食事から摂取する食べ物の消化や、食べ物からエネルギーを生み出すことも日常的に行われている代謝反応です。
そして代謝を分類すると食べ物を消化したり脂肪を燃やしたりする「異化」という反応と、食べ物から身体に必要な物を作り出す「同化」という反応があり、ダイエットに重要な代謝は前者の異化になります。

２．痩せる代謝と太る代謝

ダイエットに重要な痩せることに関する代謝は「基礎代謝・生活活動代謝・DIT」の3種類で太ることに関する代謝が「エネルギーの蓄積」となります。

痩せる代謝（消費）

・基礎代謝：体内の様々な部位で起こるエネルギー消費のことです。基礎代謝は「脳19％・筋肉18％・肝臓27％・腎臓10％・心臓７％・その他19％」で構成されています。

・生活活動代謝：文字通り身体を動かすことで起こるエネルギー消費のことです。ダイエットでは運動を取り入れることが多いですが、これは基礎代謝低下を生活活動代謝で補うためです。

・DIT：食べ物の消化・吸収で起こるエネルギー消費のことで栄養素の割合は「タンパク質30％・糖質6％・脂質4％」と言われています。

太る代謝（蓄積）

人が食べる食べ物はエネルギー（ATP）を生み出す為のエネルギー源であったり、身体を構成する原料なのです。
ですがエネルギー源や原料を摂りすぎて余らせてしまうと、余ったエネルギー源は「脂肪」という形で身体に蓄えられ太ります。
この「太る」という一連の現象もれっきとした「同化」という代謝反応なのです。

３．代謝と年齢の関係性

一般的に歳を取ると代謝が下がっていくと言われています。結論から申し上げますと加齢による基礎代謝低下は事実であり肥満の一番の原因となります。

年齢による基礎代謝の推移

・年齢：上記の図から最初に基礎代謝が大きく低下する年齢が男女とも18歳～29歳までの間です。意外と若い年齢から基礎代謝は低下しその後2番目に大きな低下を示すのが50代という年齢です。

・筋肉量：実は筋肉量は30代前後までは増えていき、その後緩やかに下がっていきます。そして大きく下がるのが60代という年齢なので、一般的に言われる「基礎代謝低下の大きな理由が筋肉量の低下」というのは間違いだということです。

４．代謝の低下は化学反応の減少

筋肉量が基礎代謝にそれほど大きな影響を与えていないのに基礎代謝が低下しているのは「脳・心臓・腎臓」などの生命維持に関わる内臓での代謝を起こす為に必要な代謝調節因子量が低下しているからなのです。

代謝調節因子とは

人が日々生命活動を営む背景には様々な化学反応（代謝反応）が起きています。
そしてその化学反応（代謝）を起こす為に必要なホルモンや物質の総称が「代謝調節因子」というものです。
ダイエットに関係する代謝調節因子としては「アディポネクチン・コエンザイムQ10・Lカルニチン」などがあり、これらの因子の生産量が低下することで基礎代謝が下がり肥満に繋がってしまうのです。

そしてこの代謝調節因子は20代後半から徐々に減少していくことが分かっています。
これは厚労省の基礎代謝のデータともリンクし、このまま年齢を重ねるとどんどん太りやすい身体になっていくことが証明されているのです。