不妊に関わっている可能性のある因子を見つけ出すために行う6大基本検査。その結果と、ご夫婦の意向に添って治療計画が立てられます。
一般不妊治療とは、ホルモン剤を使って行うタイミング指導、人工授精、体外受精のことを言います。
一般不妊治療によって妊娠が期待できるかどうか、判断の材料になるものとして
「不妊症の6大基本検査」があります。
不妊症の6大基本検査
- 基礎体温の測定
- 精液検査
- 頸管粘液検査
- Huhnerテスト
- 子宮卵管造影検査
- 経腟超音波診断
1.基礎体温の測定
5時間以上の睡眠の後、安静時の体温を測定します。
基礎体温表からわかること
排卵をしているかどうかが確認できます。
毎月のパターンから、おおよその排卵日が推測できます。
黄体機能不全かどうかが推測できます。
不正出血の原因が推測できます。
2.精液検査
精液検査の正常値(WHO,2010)
精液量 | 1.5ml以上 |
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精子濃度 | 15×106/ml以上 |
総精子数 | 39×106以上 |
総運動率 | 運動している精子が40%以上 |
前進運動率 | 前進している精子が32%以上 |
形 態 | 形態正常精子が4%以上 |
精子生存率 | 58%以上 |
3.頸管粘液検査
排卵期の頸管粘液(おりもの)は、量が増える、糸を引きやすくなる等、特有の状態が確認できます。頸管粘液の変化により排卵時期をピンポイントに予測することはできませんが、卵胞が成熟しているかどうかの指標になります。
4.Huhnerテスト
精子は、頸管粘液の中に潜り込むことで、子宮腔内に到達することが出来ます。 Huhnerテストとは、性交後の頸管粘液を観察し、頸管粘液の中で精子が元気に動いているかを見るテストです。
5.子宮卵管造影検査
子宮卵管造影検査に適した時期は、生理が終わった直後です。子宮頸管に造影剤の溶液を注入しX線で見る検査です。この検査では、子宮腔の形や卵管の通過性、卵管采の癒着についての程度を知ることができます。結果によっては治療法が変わる場合があるので、不妊治療の早期に行うのが良いとされている検査です。
6.経腟超音波診断
膣の中に、超音波断層装置のプローブを挿入し、子宮や卵巣の状態をモニターに映し出す検査です。この検査では、子宮内膜の状態や卵胞の発育状態を知ることができるので、排卵日を正しく推定することができます。
6大基本検査は不妊原因を見つけるために病院で行われますが、これらの検査で異常が認められない場合を「機能性不妊」といい、不妊症の中では10~15%程度になります。
五葉館薬局の子宝相談では、検査結果を踏まえつつ、さらに詳しく生理の状態、頭痛や腰痛、腹痛などの痛み、経血量、周期、生理期間、生理前の不調、排卵期の不調、排卵期以降の不調など、どこに不妊状態の原因があるのかを漢方的な視点で探っていきます。
漢方の服用と食生活、生活習慣を見直すことで、生理の状態が良くなっていく可能性は大いにあります。
生理の状態が良くなることは、妊娠しやすい身体づくりのための大切な要素です。
妊娠をして出産、そして育児へと続く道には、その時期にしかない「命を紡いでいくエネルギー」が備わっているのだと思います。そのエネルギーは様々な理由で簡単に閉じ込められてしまうようにも思います。
漢方の服用と食生活、生活習慣を見直して「身体の調子そのものを整えること」に意識を持ちましょう。