3大栄養素とは私達の身体を「作る・維持」するために必要な栄養素のことです。3大栄養素と呼ばれるエネルギー源は「糖質・タンパク質・脂質」の3つで、摂取することで、それぞれが身体にとって必要な役割を果たします。タンパク質と脂質は身体を作る原料となり、糖質はエネルギー(ATP)を生み出すためのエネルギー源となります。
この記事では、3大栄養素を食べると身体でどうなるかを詳しくお話させていただきます。
1.3大栄養素とは
3大栄養素は「糖質・脂質・タンパク質」のことです。
糖質は効率の良いエネルギー源になり、タンパク質と脂質は身体を作る原料およびエネルギー源という2つの役割を果たしています。
3大栄養素の役割
・糖質
お米などの炭水化物に多く含まれる糖質は、身体を動かすためのエネルギー(ATP)の原料になるエネルギー源です。
・タンパク質
お肉などに多く含まれるタンパク質は、筋肉や血液の原料となり身体を作る重要な物質です。
タンパク質は糖の原料にもなりエネルギー源としても使えます。
・脂質
食事から摂取した脂質はホルモンやコレステロール、そして細胞膜の原料となります。
必要以上の摂取するとエネルギー源としても使われます。
3大栄養素のカロリー量
・糖質
糖質1gあたりの摂取カロリー量は4kcalです。
・タンパク質
タンパク質1gあたりの摂取カロリーは4kcalです。
糖質とタンパク質のカロリー換算が同じなのはタンパク質から糖が作られるからです。
・脂質
脂質1gあたりの摂取カロリーは9kcalです。
脂質のカロリー量が多い理由は、同じ質量から生み出される(ATP)量が多いからです。
2.エネルギー変換効率の良い栄養素
3大栄養素の中で一番すぐにエネルギーに変換される栄養素は「糖質」です。
1gあたりの生産効率が高い栄養素は脂質ですが、糖質はダイレクトにエネルギーになります。
一番太りやすい栄養素は「糖質」
3大栄養素の中で一番太りやすいエネルギー源は糖質です。糖質は脂質やタンパク質と違い身体を作る原料ではありません。
つまり、エネルギー(ATP)を生み出すためだけに使われるエネルギー源なので、食べすぎると使いきれずに余らせてしまいます。
余らせた糖は、貯蔵に適した「中性脂肪」に変換され脂肪に蓄えられます。
これが「太る」という現象です。
特に、日本は「お米文化」なので糖質の過剰摂取傾向にあり、この環境と現代社会の消費量の低下によって肥満になる方が増えています。
脂質は太らない?
脂質は太り難い栄養素ではありますが、食べすぎて使いきれなかった脂質はやはり中性脂肪の素となってしまいます。
つまり、脂質中心の食生活によってカロリー過多な食生活も肥満の原因になります。
歳を取ると、油物が沢山食べられなくなる理由が、消費エネルギーが下がってくることに伴う「生理現象」と捉えると良いでしょう。
動物性脂肪の取り過ぎには注意
牛肉や豚肉など動物性のタンパク質には動物性脂肪も豊富に含まれています。
動物性脂肪は非常にカロリーが高くエネルギーを最大限に生み出すエネルギー源です。
ここではカロリーが問題という訳では無く「動物性脂肪」が身体にある問題を起こすため注意が必要なのです。
その問題とはラードなどの動物性脂肪を食べ過ぎると「代謝のバランス」が崩れてしまうということです。
糖質制限を推奨する場合、動物の脂肪を多く食べることになりがちですが、その食事バランスでは代謝に影響が出る可能性があります。
動物性脂肪による細胞の酸化ストレスが高まる事で代謝に影響が出るという研究報告があります。
もちろん肉類は必要ですが、不必要に脂質の多い肉類の食べすぎには注意が必要ですので、五葉館薬局では脂質が少ない赤身部位を推奨しています。
3.太り難いバランスよい食事
身体を動かす習慣が無ければ糖質中心の食生活を送ると太りやすくなってしまいます。
大切な事は今の身体の代謝状態に合わせた栄養素のバランスです。
世界保健機構(WHO)の見解
世界状勢を把握し、世界中の人々の健康状態の向上を目的とし研究・臨床などの活動を行う機関がWHOです。
そのWHOが1日の糖質摂取量を60g以下に控えることを推奨しています。
糖質摂取量を控えることで「肥満・生活習慣・虫歯」などの健康被害を抑える根拠があると発表しています。
今の身体に合わせた食事を
糖質の摂取が悪いわけではありません。
糖質も必要なエネルギー源だからです。
でも理想を言えば、タンパク質と食物繊維を豊富に、糖質と脂質を少なくバランシングした食事は肥満を抑えてくれます。
太りやすいなと感じた時は、現在の食事バランスを見直すと肥満を抑え健やかな暮らしができますよ。