あなたが痩せる目的は美容?それとも健康?生活習慣病と肥満の関係性

福井県嶺南地方の小浜市で、薬局をしています武田葉子と申します。私がダイエットに真剣に取り組む理由のひとつに、「生活習慣病の予防と改善」があります。

 

じつは、『太ること』から『ほとんどの生活習慣病は発症』しています。もっと詳しく言うと『太り続けること』によって『動脈硬化や糖尿病、認知症などの生活習慣病の発症』につながってしまうのです。

 

もし今、あなたが綺麗になりたい!などの美容目的で「痩せよう!」というモチベーションがあるとします。その「痩せたい」ということをきっかけにして『肥満と生活習慣病の健康知識』にも目を向けていただければ、あなたのダイエットはより健康的な(大切なポイント!)生活をおくれることでしょう。

 

このブログを通じて、皆さまに生活習慣病と肥満の知識を知っていただき、少しでも皆さまの健康に役立てることが薬局店の使命と考え、情報をシェアさせていただきます。
 

生活習慣病とは

 

日々の生活習慣によって発症してしまう病のことで、その『生活習慣』とは、おもに太りやすい食生活のことを言っています。
つまり『生活習慣病』は太れば発症のリスクは高くなりますし、逆に痩せていれば、特異的な場合を除き発症しません。

 

太る=生活習慣病の始まり

 

1.肥満
人は年齢を重ねれば、誰でも太ります。そして『太り続けること』が体に悪影響を及ぼします。この肥満につながる状態が繰り返されることが、やがて様々な病気を引き起こしてしまうのです。

2.内臓脂肪の増加
糖質や脂質を食べたとき、それを『エネルギーとして使いきれない場合』に人は太ります。
その場合、使いきれなかった『糖質や脂質』のほとんどが『内臓や内臓の周囲』に『脂肪』としてたくわえられてしまうのです。この脂肪=『内臓脂肪』がジワジワとたくわえられ続けていくとき、体によくないサイトカイン(TNF-α)などの「悪性」と呼ばれる物質が分泌されはじめ、それによって小さな炎症(慢性炎症)が起きはじめます。

3.メタボリックシンドローム
内臓脂肪がたくわえられていくことで徐々にサイズが大きくなります。『メタボリックシンドローム』というのは『内臓脂肪の面積』が判定基準の一つとなっており、BMI(体格指数)で表される数値が25以上ではなくても『メタボリックシンドローム』と判定される場合があります。〔男性ではお腹回りが85cm、女性では90cmを超え〕さらに〔血圧・血糖・脂質〕の項目のうち2つ以上が高い数値になっている場合は『メタボリックシンドローム』と確定されます。

 

 

 

生活習慣病発症のメカニズム

 

この病を発症する仕組みはじつにシンプルです。
現在の生活習慣(おもに食習慣)でのことなので、同じ生活を続けていると、とどまることなくどんどん太ります。その『太る』という状態を続けた結果、内臓脂肪が増えて体内に悪影響を与え、生活習慣病を発症してしまうということになります。

 

 

 

肥満が体内に及ぼす4つの悪影響

 

1.肥満症の原因
現在、日本人の肥満のおおもとは『糖質』だと言われています。これは、厚生労働省が推奨する食事内容が炭水化物がメインとなっているからです。炭水化物メインの食事を食べて、それをエネルギーとして使いきれずにあまった『糖』は、肝臓を経由して『中性脂肪』に変えられ、『内臓脂肪』としてストックされるのです。もちろん、脂質の摂り過ぎも太ります。

 

2.インスリン
炭水化物を食べると『糖質』が体に入ります。その『糖質』をエネルギー源として使うために『糖質』は血液中に入ります。そのときの血液の状態は、血糖値が上昇しています。血液中にあふれた『糖』がエネルギーとして使いきれれば問題はないのですが、使いきれない多くの場合、『インスリン』というホルモンが血液中に残っていた『糖』を『脂肪』に変えて、体にたくわえることになります。摂り過ぎた『糖』を『脂肪』に変えるこの仕組みは、一言でいうと『体を守る仕組み』です。この仕組みが働かないと、余分な『糖』はいつまでも血液中に残るため、血液を介して行われるべき本来の生命活動が不十分な状態となります。

 

3.体内の状態
日常的に糖質の多い食事を食べ続けることは、血液中では『血糖値が高い状態が延々と続いて脂肪がどんどん増えていくサイクル』が回り続けていることになります。血液中に『糖』があふれていると良くない最大の理由は『血管』が傷ついていくからなのです。もちろん『血管』だけでなく、流れる『血液』の状態も悪くなり、様々な臓器に影響していくことは言うまでもありません。

 

4.糖化反応
『糖』が血管を傷つける現象を『糖化反応』(グリケーション)と呼びます。『糖化』をわかりやすく説明すると、細胞を飴のように固めてしまう反応です。この反応は〔たんぱく質(血管)・糖(血糖)・熱(体温)〕の3つの要素によって起こります。血管内で糖化によって固まった細胞が、体が動くことで割れたり砕けたりして、それが血管の内壁を傷つけていくのです。

 

 

複合的に疾患を起こすのが生活習慣病

 

生活習慣病は、糖質や脂質の摂り過ぎによって『太ること』から始まります。『太る』という状態を日々繰り返しているうちに、血管を傷つけているのです。そのことが重要な問題です。『太ること』で体中のいたるところの血管が傷つき、様々な疾患へとつながっていくのです。

 

 

様々な生活習慣病

 

1.動脈硬化
体中の血管が『糖化』によって傷つくと、体は治癒力を働かせて血管内の傷を『修復』していくのですが、じつは、『修復』されれるとその箇所は以前よりも強くなり、その結果『血管が硬く』なっていく…という傾向にあります。この状態を『動脈硬化』と言います。

 

2.心筋梗塞
傷がついて「修復中」となった血管には『かさぶた(血栓)』ができます。この『血栓』が、なんらかのひょうしに剥がれ、その剥がれた血栓が、心臓辺りの血管内をふさいで『詰まり』を起こすことを『心筋梗塞』と言います。

 

3.脳梗塞
脳梗塞も心筋梗塞も、起こっている状態は同じです。血管が傷ついて出来た『血栓』が脳内で『詰まり』を起こすと『脳梗塞』になります。

 

4.糖尿病
糖質を食べると血糖値が高くなり、膵臓から『インスリン』が分泌されて、血液や血管を守るために、血液中に残った『糖』を『脂肪』に変えていきます。このサイクルが続いて太っていくのですが、体が脂肪をたくわえられる『量』には『限界』があります。それでも体は、その限界値を超えてもなお『糖』を『脂肪』に変えて、体を守るために『インスリン』を出し続けようとするので、その結果、膵臓は疲弊し『インスリン』は枯渇してしまいます。そして、血糖値は下がらなくなり『糖尿病』という状態になります。

 

5.がん
『糖尿病』になる過程で『インスリン』が大量に分泌されていることをお伝えしました。この『インスリン』というホルモンの構造ですが、その構造が「がん細胞を誘発する遺伝子群」と非常に似ているため、インスリンが大量に出過ぎている状態が続くとがん細胞を作る確率が高くなる、と言う現象が起きると言われています。実際に、糖尿病患者のがん発症リスクは、健常者の1.2倍となっています。

 

6.認知症
糖尿病になると『認知症』になるリスクが一気に高まります。じつは、血液中の糖を脂肪に変える『インスリン』は、脳内では悪性タンパク質の除去をしてくれていることがわかっています。適量の『インスリン』が分泌されている時はよいのですが、
「糖尿病になってしまうこと」は「インスリンが枯渇している」という状態になるため、脳内の悪性タンパク質の除去が進まなくなるのです。そのため、悪性タンパク質の存在が脳細胞にとってストレスとなり、脳細胞の死が加速されることになります。そのため、物忘れがひどくなり認知症へとつながっていくのです。

 

 

生活習慣病は予防・改善ができる!

 

生活習慣病は太ることから始まります。『最近、太りやすいな。。』『太ってきたな。。』とかんじたら、すぐにダイエットを実行して体重を落とし、適正体重を保つことが『一番の予防』であり『最高の治療』なのです。

 

 

 

生活習慣病の改善

具体的な改善方法は、クスリを飲むことではなく。。ダイエットを実行して『内臓脂肪を減らすこと』です。動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病に対して、病院が行っている治療は『対症療法』(今、出ている症状に対する治療法)になります。『本当に生活習慣病を改善したい』と望まれるのでしたら『原因となっている内臓脂肪の増加を抑えるべき』なのは言うまでもありません。適切なダイエットを行って内臓脂肪を落としてこそ、生活習慣病に対する『根本治療』となるのです。

 

『最近、太りやすい』とかんじる

今までは太っていなかったのに、最近太ってきたなとか、太りやすくなってきた、とかんじるのであれば、その時が『食習慣と生活のリズムを見直すべき時』なのかもしれません。(太っていくときには原因を探ることもイヤかもしれませんが…)太ってしまう原因をさかのぼると、今までなら食べた分のエネルギーはその日のうちにちゃんと消費できていたけれど、現在では消費できずに『脂肪として』体に残ってしまっている。。ということになるのです。つまり、代謝が低下しているか、1日の運動量が少なくなってしまっている可能性が高いです。食事の『量』と『質』を意識して改善し、階段を使ったりして『運動量を増やす』などの生活習慣の改善が効果的です。

 

自分は『太っている』とかんじる

『BMIの値が25以上』『体脂肪率が男性で20%以上、女性で30%以上』『お腹が出てきて太ってきた』という自覚がある場合は、早めに本格的なダイエットを行うことが望ましいです。生活習慣病は、内臓脂肪が増えて太っていく。。ことから始まり、いろいろな疾患へと進行していく病ですので、本格的な病状を発症する前に痩せてしまうことが『最高の治療』になります。当店では、薬局ならではの『健康軸に重きをおいたダイエット』をご提案させていただいておりますので、ご興味のある方は五葉館薬局のダイエット相談をご覧ください。

 

生活習慣病の予防

もともと痩せていたり、健康的なダイエットにより痩せた場合は、現状を維持することが『最高の生活習慣病予防』になります。つまり『今の体型を維持していく』ということが、生活習慣病の発症原因である『内臓脂肪を増やさない』ということになり、生活習慣病になることはあり得ません。

 

 

今回の記事では、『生活習慣病と肥満の関係』を解説しました。
『生活習慣病』や『肥満』で悩んだりお困りの場合は、嶺南地方の小浜市にある五葉館薬局まで、お気軽にご相談ください。