漢方薬は自然界に存在する「植物・動物・鉱物」などで造った生薬を組み合わせた調合薬です。漢方には配合された生薬単体の効果と調合によって生まれる効果の2つの効果を有します。漢方薬は生薬の効果と配合によって得られる効果によって幅広い効能効果を持つ自然のお薬なのです。
1.漢方薬とは
自然界に存在する「植物・動物・鉱物」等を乾燥させたお薬を生薬と言います。
漢方薬とは、生薬を複数配合した調合薬のことです。
自然界の有機物を加工した生薬
漢方薬のベースとなる自然由来のお薬を「生薬」と言います。
生薬とは、自然界に存在する「動物・植物・鉱物」などを乾燥させて持ち運びやすい状態にしたものです。
もちろん、乾燥させたもの全てが生薬というわけではなく、しっかりと「健康効果が認められるもの」が現存する生薬として認められています。
生薬を2種類以上配合した漢方薬
漢方薬と生薬を同じ物として考えている方が多いですが、実は「似て非なる物」なのです。
生薬とは、一つおよび単体の物を指しますが、漢方薬にはしっかりとした定義が存在します。
漢方薬とは「2種類以上の生薬を定められた量で配合した物」として定義されており、漢方薬と生薬はそれぞれの効能効果を持っているのです。
2.漢方薬が持つ治療効果
漢方薬は複数の生薬を配合した自然のお薬です。
漢方薬には、含まれる生薬それぞれの薬効と組み合わせによって生まれる薬効の2つの効果が存在します。
生薬が持つ単体の効果
現代の東洋医学の漢方薬に配合される生薬には、生薬単体の効果が確認され、しっかりと体系化されたものが現存しています。
生薬には「動物・植物・鉱物」と様々な種類が存在していますが、それぞれの生薬において「免疫を増強する・血液の流れを改善する・胃腸の働きを整える」などの効果があります。
生薬の組み合わせでもたらされる効果
生薬には、生薬そのもの効果がしっかりと存在します。
そして、生薬を2種類以上配合して作られる漢方薬には漢方薬独自の効果があります。
つまり、漢方薬には「配合された生薬単体の効果」と「生薬の組み合わせによって起こる効果」の2つの効果を有します。
漢方薬が「バランスの医学」「根本治療」「身体を整える」と言われる所以は、複数の生薬を組み合わせることで成し遂げられています。
3.漢方薬の効果を見出した治験の歴史
漢方薬に効果を見出すことに成功した経緯は、漢方発展に繋がった過去のルーツにあります。
中華王朝時代の始皇帝の命により漢方治験は数千年にも及び研究されてきました。
中華王朝の国家プロジェクト
漢方薬の組み合わせや生薬そのものの効果の確認は、中華王朝時代の「始皇帝」の命によって治験が行われました。
中華王朝時代の書物によると、始皇帝は「不老不死」を目ざすために、人体による治験を繰り返していたことが伺えます。
まさに、国家プロジェクトとして生薬や漢方薬を研究していたのです。
数千年以上にも及ぶ生薬治験
始皇帝の命による漢方薬の治験は、目的は達成できなかったもののあらゆる効能効果の結果を導き出しました。
この効果を追い求める治験は、数千年におよび中国にて行われてきました。
つまり、漢方療法は数千年に渡り効果の検証を行ってきた「結果頂上主義」の医学なのです。
この長きに渡る治験の歴史が漢方の効果を確立させ、また人類の英知と呼べる東洋医学の発展を成し遂げました。
4.現代社会の漢方処方は結果が出せる英知
現代での漢方を用いた東洋医学は、問診方法の確立と漢方処方の体系化が行われ、過去の英知の再現性が向上しています。
つまり、現代の漢方は結果が出せるもう一つ医学なのです。
東洋医学の問診方法の確立
漢方を含む東洋医学の問診方法は日本に渡ってくる以前に、中国の中医学によって確立していました。
そして日本に渡ってからも、日本の風土に合わせて問診方法や処方を体系化し発展してきた日本漢方があります。
この中医学と日本漢方という流派が現代の漢方のベースとなり、受け継がれています。
漢方処方体系化による確実な効果
人の身体の状態を定め問診方法を体系化し、漢方を処方する中医学と漢方処方の効能効果を体系化した日本漢方によって、現代の漢方療法は支えられています。
つまり、的確に対象者の状態を把握でき、その方のコンディションに合った漢方薬を導き出すことが可能ということです。
だから、現代の漢方薬は良い効果を体感しやすく、根本的な問題の改善に繋がりやすいのです。